大学入学共通テストの「情報Ⅰ」を元エンジニアが解いてみた !
いよいよ、2025年(令和7年)度の大学入学共通テストから「情報Ⅰ」が入試科目になります。
※すでに、2022年度から「情報Ⅰ」は高校生全員が履修する必修科目となっています。
しかし、「情報Ⅰ」は初めての試験という事もあり、受験生や教育機関が具体的なイメージを共有できてません。
なので、「大学入試センター」が具体的な試作問題『情報Ⅰ』を作成・公表してくれています。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou/r7mondai.html
そこで、当教室の講師陣2名が大学入学共通テスト「情報Ⅰ」を解いてみて、 何点くらいとれるのか、どのくらいの難易度なのかを自ら検証してみました。
講師陣のITレベル
まずは、講師陣のITレベルを紹介しておきます
K講師
- キャリア・・・システムエンジニア歴20年以上。プログラミング歴は30年以上。
- スキル ・・・組み込み系からはじまり、業務(オープン)系、インフラ、WEB系などを経験。
IT業界のオールラウンダー。 - IT資格 ・・・IT国家資格の最高難度である「レベル4」を2つ所持。
IT系試験は(昔)得意だった!?
A講師
- キャリア・・・プログラマー、システムエンジニア歴10年以上。
- スキル ・・・メインフレームからはじまり、オープン系、WEB系などを経験。
- IT資格 ・・・IT国家資格の「レベル2」である基本情報技術者を所持。
IT系試験は忘れました!
試験問題を解いてみよう
取得してから数年経ってかなり忘れてるとはいえ、 技術系の「レベル4」資格を複数所持してる程の元エンジニアが果たして何点とれるのか?
※熊本県では年に2、3人しか合格できないくらい難しい資格。
では、実際に試験問題を解いてみよう!!
60分後(制限時間)。 終わらない。。。
さらに15分後。。 やっと終わった。
採点
結果は K講師・・・82点、A講師・・・73点 でした。
うーーんどうなんでしょうか?
共通テストの他科目の平均点から考えると、まあまあよかったのではないでしょうか!?
詳しく見てみよう
第1問
基数変換や16進数などIT知識が必要なものも少しあるが、
パリティチェックや論理演算などは、IT知識がなくても問題を読み解く力と論理的思考力があれば、考察できる問題が多かった。
第2問
「QRコードの仕組み」の問題は、IT知識がなくても問題文や表を読み解く力で考察できる問題ばかりだった。
「待ち行列」の問題も、階級値や相対度数などの数学の知識と問題文を読み解く力で回答できる問題ばかりだった。
第3問
「上手な支払い方法」アルゴリズムの問題は、IT知識は必要ないがプログラミング能力が必要な問題だった。
特別難しいアルゴリズムではなく、論理的思考力があれば回答できる問題なので、
普段からScratchでプログラミングしている生徒であれば回答は十分できると思った。
しかし、配列や剰余演算の書き方などは「文字で記述するプログラミング」を知ってる方が取っつきやすいとも思った。
第4問
スマホと学業・睡眠の統計問題は、IT知識がなくても解ける問題ばかりだった。
しかし、表やグラフからデータを読み解き、分析/考察する能力やを問う良い問題と思う。
「標準偏差」や「回帰直線」などの数学の知識があると、問題文の理解を助けると思う。(なくても解けるが)
最近、はやりのデータアナリストを意識した問題だと思う。
まとめ
- 全体的にIT知識を問う問題は少なかった。
- プログラミング能力はそこそこ必要である。Scratchなどのブロックプログラミングができれば全然大丈夫。
- 問題文や表などを読み解く力や論理的思考力を問う問題の方が多かった。
- 問題自体は全体的に易しいが、時間は結構ギリギリと思う。
他のIT試験など と比べてみよう
- ITパスポート
・・・「IT知識を問う問題」ばかりで「文章を読み解く問題」はないので、全然違う。 - 基本情報技術者試験
・・・「情報Ⅰ」より高難易度過ぎる。 - 公立中高一貫校適性検査
・・・「IT知識を問う問題」はない。文章を読み解く力は必要なので上記2つの試験よりは近いが、簡単すぎる。
何を勉強すればいいのか
- IT知識は「情報Ⅰ」の教科書だけで十分と思う。
- 国語で「文章を読み解く力」や数学で「統計」などの知識が備わってるといいと思う。
- プログラミング力は、教科書だけでは足りないと思う。
- 時間が足りないと思うので、問題を解きまくって処理能力を上げる必要はある。
おわりに
もう少し、ITの知識を問う問題があってもいいと思ったが、
問題文や表を読み解いて「情報を処理する力」は社会人の必須スキルなので、その点では良い問題と思った。
「大学入試センター」によると「令和7年度試験問題も同様の方向性で検討する。」と公表されているので
「情報Ⅰ」を受験する学生には、社会でも通用する能力向上のためにも、ぜひがんばってほしい!